「…わかったから、あんま教室でそれやんな」

よしっ!借りれるっ!!

世理が背を向けてロッカーへと向かったのを確認して、ほっと胸を撫で下ろした。

「っはあー!!!雪乃さん破壊力やべえ」

「世理羨ましいー俺も見つめられてー」

なんだか、教室のあちこちからそんな声が聞こえる気がする。

私、なんか破壊しましたっけ?

「黙れ」

うお、怖。

いつもかわいい世理のお顔が強張っている。

「もうお前らには一生見せねえ」

「えーずるーい」

なにを見せないのか知らないけど、教科書で彼らの頭を軽く叩いている。

そしてそのまま、その教科書を渡される私。

え、どんな気持ちで受け取れば良いですかこれ。

「ありがとっ!」

とりあえず、世理がいなかったら教科書を忘れて怒られていたので、感謝しよう。

「もうあんま3組来ないでよ〜」

「え!なんで?!」

私もしかしてはじめて世理に会いに来るなって言われた?やだやだやだむり!