三日月の夜。

コウモリが数匹飛んでいる……

その空中の上には、1人の吸血鬼が立っていた。

「今宵も美味しそうな匂いだ」


それに気づかない1人の女が帰りの道を歩いて来た。


「……ん?そこに……1人の娘が」


ふと、その女は俺を見た。


ビック


だが、見えなかったのか再び前を向いて歩く。


「ビビらせんなよ!」


気に入った。


俺は、その女の背後に立つ。


「……見えている。お前の姿が」

「な、なに?!」

「さっき空の上にいたろ」

「気づいてたのなら仕方がない。襲うまで」

「それは、どうかな?吸血鬼さん」

「うっ」


闇が俺を指す。

「な……んだ、これ……は」

「俺の闇だ」


「ぐ、ああああああああ!」


その吸血鬼は、闇へと消えていった。


「……俺に近寄るなど1000年はぇーわ」


俺は再び歩き車に乗りこみ家へと帰って行った。



俺を甘く見ると痛い目に会うぞ。

気をつけな。