お願いだから、好きって言って。


「……危なかったね」
「うん……ほんとにありがとう……」
「ううん、気にしないで」



 悪魔だなんて思ったの、ごめんね……本当は優しかったんだ……なんて思いながら、次の質問を考える。


 そうだ……雪崎くんがその質問をするなら、私も……



「雪崎くんは、好きな人……いるの?」



 その質問は皆に聞こえていたみたいで、綾瀬さんは驚いたように目を見開く。

 ちらりとこっちを見た佐藤くんと目が合うけど、一瞬で逸らされてしまった。


「ごめん……なさい、今のナシ……!」
「え? 別にいいよ」


「え……」


 一瞬で周囲が静まり返る。



「いるよ、……好きな人」




 真剣な表情で返す雪崎くんに、みんな釘付けになっていた。