お願いだから、好きって言って。


「みんな、体調悪くなったらすぐ言えよー?」


 篠塚くんがそう言うと、私たちは山頂に向かって歩き出した。


 ……



 5月に入ったばかりの暑い日差しと気温が、開始15分でもう既にキツイ。



「双葉さん、さっきの答え……出た?」



 雪崎くんに話しかけられ見上げる。
 申し訳ないけど、考える余裕なんて全然なかった。


 そんなすぐに答えが出るのなら、教えて欲しいくらいだもん……


「私だったら……譲る、と思うな……」
「――なんで?」

 被せるようにそう聞かれ、返答に困る。


 なんで……って……言われても、私なんかがその子に勝てるわけないし……


 この関係を壊したくない……


「勇気がないから。……私なんかより、その子に幸せになって欲しい……」
「でも、心の中では違うでしょ?」



 そんなこと、ない……
 私は本当に相良さんと佐藤くんを応援してる。


 本当は違うなんてこと、ない。