お願いだから、好きって言って。


「すげー賑やかじゃん。双葉さん、ゆっくり休めた?」


 後ろから、ひょいと顔をのぞかせる雪崎くん。
 いつもよりテンションが高いように見えるけど……


「うん、ゆっくり休めたよ。雪崎くんは……?」
「めっちゃ寝てたから、逆に眠い」


 ニッと微笑む雪崎くん。
 雪崎くんもバスの中で寝てたの……? せっかくのチャンスなのに……


 いや、まだ……雪崎くんが相良さんを好きだって確定したわけじゃないけど……


 だから、少し探りを入れることにした。


「だけど……せっかく隣になれたのに、話さなくてよかったの?」


 小さな声で問いかけると、雪崎くんは驚いたように目を見開いた。


 まるで"なんで知ってるの?"と言わんばかりのその表情に、納得する。


 ――やっぱり……


 そう思った瞬間……



「それなら、俺は双葉さんの隣にすればよかった」



 雪崎くんは、何事もなかったかのように笑顔でそう言った。


 雪崎くんが何を考えてるのか、どういう人なのか……なにを企んでるのか……分からない。



 だけど、私は雪崎くんのことを、知りたい。



「あの、雪崎くん……」