お願いだから、好きって言って。


「双葉さんは……どういう男がタイプ?」


 次の佐藤くんからの質問に、黙り込んでしまう。
 そんなの……今まで1度も考えたことなかった。


 こういうのって、現実的じゃなくていいんだよね……?

 ただ、こういう人がいいな。っていう、少女漫画みたいな夢でも……いいんだよ、ね……?


「優しくて……私を助けてくれる、王子様みたいな人……かな」


 全て言い終えた瞬間、ハッと気付く。


 ――これじゃまるで、佐藤くんのことを言ってるみたい。



 佐藤くんも、驚いたように固まってる。

 目が、みれない……


 王子様みたいな人、なんて……王子って呼ばれてる佐藤くんの前で言ったら、勘違いされるに決まってるのに……


 でも……佐藤くんはほんとに優しいし、困ってる時に助けてくれるし……



 そう考えたら、私……佐藤くんみたいな人が好き、なのかな……



 静かな図書室に、私の心臓がうるさく高鳴る。




 ――お願い、佐藤くんに聞こえていませんように……