お願いだから、好きって言って。


「じゃあ、嫌だったら答えなくていいけどさ……カラオケのとき、相良と何話してたの?」


 ……そんなの、言えるわけない。

 思わぬ質問に、なんて答えればいいか分からなくなる。



 佐藤くんに告白しなよって言われたなんて、それこそ告白してるみたいなものだし……


 でも、質問に答えるって約束しちゃったし……



「こ、恋バナ……してた……だけ」



 やっとの思いでカタコトになりながらそう返すと、佐藤くんは質問を続けた。


「恋バナ? なんの?」
「え、あ……告白するかどうか……って……」


 咄嗟に答えた言葉に後悔する。
 だけどもう時すでに遅し。佐藤くんはびっくりしたような表情で私を見つめた。


 ――バレた……? 私が佐藤くんに告白するのを勧められたって……
 でも、まだしてないし……まだっていうか、するつもりないし……


「まだ入学して1週間も経たないのに、好きな人いんの……?」


 佐藤くんは「意外なんだけど」と言葉を続けた。
 違うのに、上手く否定できない。

 否定すればするほど、焦って余計なことを言ってしまいそうだから。