お願いだから、好きって言って。


 ◇ ◆ ◇



 あのカラオケの日から、なんとなく佐藤くんと顔を合わせるのが気まずくて、2人で話すことを避けていた。


 といっても佐藤くんは、通路を挟んで隣の席。
 なるべくそっちを向かないように気を付けていた。


 さすがに不自然過ぎたのか、昼休みに綾瀬さんに問いただされることもあったけど、なんとか誤魔化すことができた。


「今日は帰る前に、委員会決めをする」


 ホームルームで、先生が告げた。
 話によると、一人一つ何か委員会か係をしないといけないらしい。


 あまり目立つ委員にはなりたくないし……係は毎日やることがあるみたいだから、遠慮したいところ。


 ……となると。



「次、図書委員。希望する人は?」


 先生の声と同時に、ゆっくりと手を挙げた。



「「 はい 」」


 二人の声が、重なる……。



 ――手を挙げていたのは、佐藤くんだった。