お願いだから、好きって言って。


「――王子のこと、好きなの?」

 相良さんは、私の目を真っ直ぐと逸らすことなく見つめながらそう問いかけた。


 佐藤くんのことか……

 でも、こうして二人きりでわざわざ質問してくるってことは、やっぱり相良さんは……


「違う……よ。佐藤くん、みんなに優しいから……私は佐藤くんしか話せる人がいないだけで……」
「それなら、クラスの男子紹介しようか?」

 相良さんはスマホを取り出して連絡先を開いた。

 そんな、紹介なんてされても……何話していいか分からないし……


「……うち、王子のこと好きだから分かるんだけど。双葉さんに対しては……他の子とは違うと思うんだよね」



 え……
 他の子と違う……ってどういうこと?

 戸惑いで言葉が出てこない私に、相良さんは話を続けた。


「だからうち、応援するよ。二人のこと」
「そんな……違う……」

 咄嗟に否定するも、相良さんは全然話を聞いていないみたいだった。


「告白するなら、早めがいいと思う。王子を狙ってる子沢山いるから。今は珍しく彼女いないみたい、チャンスだよ」


 佐藤くん……彼女いないんだ。
 今は珍しく、ってことは……ずっと彼女が途絶えなかったってこと?


 それなら相良さんが告白した方がいいんじゃ……


 でも、私は他の子とは違うって……ダメだ。



 ――変な期待、しちゃダメだ。