お願いだから、好きって言って。


 綾瀬さん、篠塚くんのこと、好きなのかな……?


 でも、こんなに真っ赤になるなんて、そういうことだよね?


 だけど、篠塚くんも佐藤くんに負けずイケメンだしモテそう。


 佐藤くんは犬系の甘い王子様って感じだけど、篠塚くんは見た目はチャラそうだけど、頭良さそうな王子様……って感じで、正反対なジャンル。


 明るくてキラキラしてる綾瀬さんが、真面目系の篠塚くんを好きなのは意外だったけど、隣に並んでいるとお似合いに感じる。


「じゃあ俺、一吾と歌ってくるわ」


 篠塚くんはそう言い残すと、佐藤くんの方へと行ってしまった。

 綾瀬さん……まだ全然篠塚くんと話せてない……大丈夫かな? と綾瀬さんにちらりと視線を送ると……。


 綾瀬さんは見事にどんよりとしていた。
 キラキラ笑顔でテンション高い綾瀬さんしか知らなかったから、こういうとき、どう励ませばいいのかわからない……

「あ、あの……私、応援する……から」


 意を決してそう告げると、綾瀬さんは目を丸めてきょとんと私を無言で見つめた。