お願いだから、好きって言って。


 なんで……なんで、佐藤くんは泣きそうな顔でそんなこと言うの……

 私、また振られるの怖い。
 もう、佐藤くんの考えてることが分からないよ……


 怖いけど……
 隠そうとしてた気持ちが溢れ出しそうになる。


 そんな近くで、熱い目で見ないで……


 この気持ちを隠せなくなる……




「好き……だけど……もう、苦しい……」




 抑えていた涙が溢れ出す。
 それを見た瞬間、佐藤くんはハッとして私から少しだけ距離をとる。



「ごめん……あの時も、今も……双葉さんの気持ち無視して……ごめん」


「あの時、って……?」


 もしかして……林間学校で告白した時……のこと?
 
 でも、私の思い通りになんて、佐藤くんをしたくない。


 私の気持ちなんて……知らなくていいのに。


 これから私、正式に振られてしまうのかな……?
 もう、今まで通り話したりすることすらできなくなっちゃうのかな……?



 やだな、この恋が終わるの……