お願いだから、好きって言って。



「……あのさ」



 校舎裏でピタリと止まってすぐ、佐藤くんは口を開いた。


 その言葉の先を聞くのが怖い。
 どの件の話だとしても……嫌われてしまうのは目に見えてわかってるから。



「さっきのキス……計算? それともわざと?」



 さっきの冷たい表情とは打って変わって、悲しげな表情でそう問いかけられる。


 計算とか……わざととかじゃない……あれは、私の醜い嫉妬心……


 だけど、そんなこと言ったら、佐藤くんはどう思う……?


「俺のこと、からかってんの……?」



 泣きそうな顔で、震えながらそう呟く佐藤くん。


 なんで、そんな悲しそうな顔……


 そこまで私は佐藤くんを傷付けてしまったんだ、って知る。


「ごめんなさい……私、そんなつもりじゃ……ただ、嫉妬しただけ……なの……」


 もう嘘はつけない、嫌われたとしても本当のことを言わなきゃ……


 佐藤くんをこんなにも傷付けてしまったんだから……嘘なんて、ついちゃダメだ。