お願いだから、好きって言って。



「だから、一吾は迷惑してんだって」
「あんたら王子のストーカーじゃん。通報されたいの?」


 校門に近付くにつれて、だんだんと声がはっきりと聞こえてくる。


 篠塚くんと相良さんが、他校の女子を必死に止めていた。

「王子は迷惑だなんて言わないもん!」
「ってか、なんか……この人もイケメンじゃない……?」


 女子のうちのひとりが、篠塚くんの腕に手を伸ばす。




「ちょっと! なにしてんの?!」




 綾瀬さんは女子の手を取り、篠塚くんとの間に入る。



「この人、あたしのだから! 勝手に触らないで!」



 何も考えずに口走ったのか、場の空気が凍りつく。


「は……? 何言ってんの?」


 篠塚くんが困惑したようにそう零すと、自分の行動にやっと気付いたのか、綾瀬さんは顔を真っ赤に染め上げた。



「う、嘘に決まってるじゃん……?! 困ってそうだったから、つい……」

「だよな……ビビったわ」


 そんなバレバレの綾瀬さんの嘘に、ホッとしたように胸を撫で下ろす篠塚くん。


 こんな告白まがいのことされて、あんなバレバレの誤魔化しを信じるなんて……篠塚くんはどれだけ鈍感なの……