お願いだから、好きって言って。


「ご、ごめんなさい……」


「双葉さんさ、俺のこと嫌いなの?」



 突然冷たく放たれたその一言に、思わずひゅっと喉の奥が鳴る。

 またあの時みたいな……冷たい目……


「海の時も、俺のこと避けてたじゃん。それに……さっきも。さすがに俺でも気付くよ」



 佐藤くんの言葉に何も返せなくなる。

 だって、佐藤くんを避けていたのは本当だから。



 でも、それって……普通じゃないの?
 振られたら、普通……気まずいだろうから関わらないでおこうって、迷惑かけないでおこうって思うんじゃないの……?


「だって……佐藤くんが分からないんだもん……」



 私の事、好きじゃないくせに優しくしたり……他の人と間違えてキスしたり……


 勝手に佐藤くんに関わってる私のせいなんだけど、だけど……頭の中が佐藤くんのことばっかりで、なんだか悔しくなる。



「俺からしたら、最近の双葉さんの方が分かんないよ」



 ムッと、冷たい表情でそう返され、思わず泣きそうになる。


 これだけ佐藤くんのことで悩んで、苦しんで、ドキドキして……ってなってるのに、佐藤くんは私のことなんて少しも意識してない。


 そんなの分かってるけど……



「ずるいよ……」
「……え?」




「佐藤くんも……私みたいに、悩めばいいのに……」





 小さくそう呟いたあと、佐藤くんの両頬に手を添え、背伸びをして唇を重ねた。