「ちょ、待って。双葉さん……!」
後ろから腕を捕まれ、思わず振り返ると……
「佐藤くん……離して……お願い……」
「やだよ、なんで泣いてんの?! 俺、なにかした……?」
違う……ただ、私が勝手に傷付いてるだけ……
佐藤くんは悪くないのに……
話す勇気がでない。
「……こっち、きて」
掴んでいた腕から手を握られ、そのまま連れていかれる。
さっき、あんなに苦しい目にあったのに……
佐藤くんと手を繋いでる事実が、嬉しいだなんて。
私はどれだけ馬鹿なんだろう。
「待って、離して……!」
どれだけ背中にそう呼びかけても、佐藤くんは止まってくれない。
これから何を言われるんだろう。
もう、なにも聞きたくないし、知りたくない……
突然佐藤くんはピタリと止まり、その反動で私は大きな背中へとぶつかる。


