お願いだから、好きって言って。


「駄目、でした……」
「え?」

「綾瀬さんに謝って、ご飯食べませんかって誘ったけど……駄目でした」

 佐藤くんは、変わらず心配そうな表情で私の話を聞いている。

「気まずい思いさせてしまって……一緒にいた友達も困ってました……多分迷惑だって思わ……」
「そんなことない!」


 私の話を遮るように否定する佐藤くん。
 突然きっぱりと否定され、驚く。



「双葉さんの気持ち、伝わってるはずだし」



 まっすぐな目で、ハッキリと断言される。


 この目を見てると、不思議と大丈夫だと思えてきた。
 どうしてだろう。そんな確信なんてないのに……


「で、でも……私……」
「綾瀬も、そんなふうに思うやつじゃないって、さっき言ったじゃん」

 それは、私も分かってる……
 けど、あの時みたいに……突然冷たい目で無視されたりするかも。って……考えてしまう。