お願いだから、好きって言って。


「綾瀬さん……!」

 教室に入るなり、私は綾瀬さんの座っている席まで止まることなく向かう。

 そんな私を驚いたように見つめる綾瀬さんと、もう一人の女子。

「え、どしたの? ってか誰?」

 綾瀬さんと私の顔を交互に見ながら問いかける女子。
 なにも考えずに話しかけたはいいけど、気まずい……




「あの、さっきはごめんなさい……! 一緒に、ご飯食べませんか……!」




 頭を深く下げてそう言うと、綾瀬さんは気まずそうに友達と顔を見合せた。

「あ、ごめんね、あたし達もう食べ終わっちゃって……」
「ゆにの友達……? そうは見えないケド」


 友達……なわけない。
 なれるわけないのは重々承知だし、断られるのは分かってた。もう手遅れかもって気付いてたけど……