お願いだから、好きって言って。



「なにか探してんの? あ、お腹減ってない?」
「ぎゃはは、固まってね? 俺たち怖くないよ〜?」



 ぎゅっと強い力で掴まれたままの手首が痛い。
 怖くて……声が出ない。



「……離して、ください……」
「俺、佐藤と知り合いだから安心してよ」


 男の人から聞こえた"佐藤"という名前に、少しだけホッとする。


 この人達……佐藤くんの知り合い?



「ほらほら、一緒に飯食いに行くだけだから」
「で、でも私……佐藤くんとは……」


 さっき断ったばかりなのに、どんな顔して会えば……
 

 抵抗しても腕を引っ張られ、目の前には大きな黒い車が。
 1人がドアを開くと、もう1人は私の腕を引いて車に乗り込もうとする。



 ――待って、佐藤くんの知り合い……車で来たの……?

 こんな、見知らぬ場所に知り合いなんて……いるの?



 そこでようやくこの状況がおかしいことに気付くも、もう手遅れで……車に押し込まれそうになるのを必死で抵抗するも、男の人の力には敵わない。