◇ ◆ ◇
「ほら、見てあの子!」
「誰だっけ? あんな可愛い子いた?」
「ほら、えっと……あ、双葉さん。だっけ」
今日は林間学校最終日。
近くの海で自由に過ごしていいみたい、と言っても……
「えぇ?! 双葉サンなんで水着それなの?!」
綾瀬さんは信じられないと言わんばかりに声を荒らげた。
私は、中学の頃のスクール水着を手に取りながら首を傾げた。
「いや、スクール水着て……ありえないから」
「そうだよ! 林間学校の海といえば、注目の恋愛イベントなんだよ?!」
「でも……私には関係ない世界だから……」
ポツリと呟くと、2人は申し訳なさそうに声を揃えて「ごめん」と小さく謝る。
分かってるから、大丈夫。
私に恋愛は早すぎたんだ……
それなのに、相手はあの……
「佐藤、現地の人に絡まれてんね」
相良さんが見つめる方へと視線を向けると、たくさんの女性に囲まれる佐藤くんの姿が。


