綾瀬さんは、もう一緒にご飯食べる人が決まってたみたいだし、それを引き止めて誘うことなんて……いくらなんでも、私にはできない。
「綾瀬さん、私の前の席の人と食べるみたいだったから……私邪魔だったのかも」
そう説明すると、佐藤くんは口をぽかんと開き、ゆっくりとまばたきをする。
「あ、そういうことか!」
ワンテンポ遅れてなにかに気付いたようで、佐藤くんはその場にしゃがみこんだ。
「え、あの……」
何が起きたのか分からず心配で、私も隣にしゃがむ。
「多分綾瀬は、双葉さんを誘ったんだと思うよ」
「私を……?」
綾瀬さんが私を誘ってくれた……?
でも、そんなことあるわけ……


