不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?

 私は、今まで口出ししていなかったマグナード様の方を見ていた。ロダルト様の言葉に、彼は目を細めている。その少々怖い顔に、私は固まってしまった。

「ロダルト子爵令息、先程の言葉を撤回していただけませんか?」
「……何?」

 ロダルト様に対して、マグナード様はゆっくりと口を開いた。
 この段階においても、彼はまだ穏やかだ。彼はまだ冷静であるということだろう。

「何を言っている?」

 一方で、ロダルト様の方は冷静ではなかった。
 私に受け入れられなかったことや、浮気していると思い込んでいることによって、興奮しているということだろう。

「先程の言葉を撤回していただきたいと言っているのです。今すぐに撤回していただけるのなら、なかったことにできますから」
「なんだと?」