不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?

 私は浮気などしていないが、仮にそんなことをするとしても、教室なんて場所は選ばない。
 ロダルト様の理論は、はっきりと言ってお粗末である。そんな適当な理論で非難されるのは、非常に不愉快だ。

「偶々早朝に会って話をしていた。そういうことだろう」
「それこそ、因果関係が滅茶苦茶ですね。浮気を前提にしないでください。根拠としていた教室での密会でしょう」
「いいや、僕は抗議する。君とマグナード公爵令息の不貞にな! ラプトルト子爵家として正式に抗議してやる」

 ロダルト様は、私に対して少々語気を荒げて言葉を発してきた。
 その言葉に、迫力があるという訳ではない。ただ私は、その言葉に黙ることになった。