不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?

「……なんですか?」

 そこでロダルト様は、私に対して怒ったような表情を向けてきた。
 やはり今までの態度は、演技だったという訳だろうか。もしかしたらやっと、彼の本音を聞くことができるのかもしれない。

「君が僕を裏切っていたことを、僕が知らないとでも思っていたのか?」
「裏切った? なんのことです?」
「そこにいる男のことだ。君はそいつと浮気していたのだろう」
「……何を言っているんですか?」

 ロダルト様の主張は、訳がわからないものだった。
 彼の指差した先には、マグナード様がいる。しかし当然、私は彼と浮気してなどいない。
 ロダルト様が何か勘違いしているということだろうか。ただ、どうして勘違いしているのかがわからない。私は少し混乱するのだった。