不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?

「おはようございます、イルリア嬢」
「おはようございます、マグナード様」

 私とマグナード様は、朝の挨拶を交わした。
 隣の席で、彼は背筋を伸ばして座っている。そういった仕草は、一学期の時と何ら変わらない。

「今日から二学期ですか。なんというか、少しやる気が出ませんね」
「マグナード様がそのように言うなんて、驚きです。まあ、その意見には同意しかないのですが」
「イルリア嬢と過ごす時間が、とても楽しかったですからね。魔法学園では、こうして教室で顔を合わせることしかできません。それが今から、少し億劫です」

 私とマグナード様は、夏休みをそれなりに長い時間一緒に過ごした。
 しかし、魔法学園ではそういう訳にはいかない。寮暮らしであり、異性の寮に入ることができない以上、会えるのは学び舎の中だけになる。