不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?

 そんな彼に助けてもらって、最終的には愛してもらえている。少し前までの私は、まったく想像していなかったことだ。

「ですが、僕はイルリア嬢に会えたことを幸福に思っています。婚約というものに対して、それ程考えたことはありませんでしたが、あなたとこうして婚約者になれてよかったと、あなた以外はあり得ないと、そう思っているのです」
「ええ、愛している人と結ばれるということは、本当に幸福です。この愛をこれからも育んでいきましょう。時間はたっぷりとありますから」

 貴族の中には、望まぬ結婚をする人達もいる。私達のように思い合っていても、私達のように結ばれることができない人もいるのだ。
 だからこそ、この幸福を大切にしていきたいと思っている。これから続く一日一日を、しっかりと噛みしめていきたい。