不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?

 私とマグナード様は、ビルドリム公爵家の客室で二人きりになっていた。
 色々とあった訳ではあるが、やっとこうして二人で落ち着けている。そのことが何ともいえないくらいに、幸福であった。

「……不思議な縁だったと思うんです」
「不思議な縁、ですか?」
「ええ、私とマグナード様は、少し前までは単なるクラスメイトで、話したこともありませんでしたよね。そんな私達が、こういう関係になるなんて思ってもいませんでした」
「……それは、そうかもしれませんね」

 私は、マグナード様と結ばれることになった経緯を改めて思い出していた。
 クラスメイトで、決して手が届かないような地位にいる人、私にとってマグナード様はそのような人だったのだ。