不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?

「あ、はい。それはもちろんです」
「まあ、実の所そこまで心配はしていないのです。あなた達二人は、愛し合って結ばれている訳ですから……これはいささかロマンチスト過ぎますかね?」
「いいえ、そんなことは……」

 ハルーナ様は、苦笑いを浮かべていた。
 それはきっと、自身の婚約が望んでいるものという訳ではないからだろう。
 貴族や王族の婚約というものは、どちらかというとその方が一般的だ。そういう意味でも、私とマグナード様は特殊であるといえる。

「ブライト、せっかく来たのだし、ベルダー様にも挨拶しに行きましょうか。あなたも付いて来て」
「姉上だけでいけばいい……訳ではないか」
「ふふ、流石にあなたもそこまで鈍感という訳ではなかったみたいね」
「それじゃあ二人とも、また後でな」

 それだけ言って、ブライト殿下とハルーナ様は家の方に向かって行った。
 その背中を見届けた後、私はマグナード様の顔を見る。そして私は、彼と結ばれるということの意味を、改めて考えるのだった。