不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?

 彼の方は、ベルダー様の意図などはまったく気付いていなかったのだろう。
 一方で、ハルーナ様は特に驚いていない。ということは、彼女はベルダー様の意図に、ある程度気付いていたということだろうか。

「昔から、ベルダー様のそういう所は変わらないわね」
「まあ、それが兄上ですからね」
「難儀な人と思う所もあるけれど……」

 ハルーナ様は、非常に微妙な表情でベルダー様のことを語っていた。
 二人は、いとこ同士である。そして、婚約者同士でもある。
 いとこという身内と婚約しているということは、その関係性に色々な影響を与えているのだろう。それが、ハルーナ様の表情から読み取れた。

「イルリア嬢、マグナードのことをよろしくお願いしますね。彼も私にとっては、弟のようなものですから」