不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?

「これはビルドリム公爵家の決定だ。お前だけの意思で決まったことではない」

 ベルダー様は、真剣な顔でそう言った。その表情には、次期公爵としての威厳がある。
 私はそっとマグナード様を解放して、ベルダー様の方を向く。彼の話を、きちんとした姿勢で聞くべきだと思ったからだ。

「もちろん、必要があればルヴィード子爵にも協力を要請する。その辺りに関しては、大人の役目だ。魔法学園を卒業するまでの間は、お前に頼ろうとは思わない。そもそも、お前にはもっと大事な役目がある」
「それは……」

 ベルダー様の言葉に、マグナード様の視線がこちらを向いた。
 それを見て、ベルダー様は笑う。弟が自分の言葉の意図に気付いたことに、喜んでいるようだ。

「……わかりました。僕はイルリア嬢を守ります」