不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?

「えっと、イルリア嬢は今回のことをどこまで把握していたのですか?」
「二人きりで話した時に、教えていただきました。だから、すみません」
「それはイルリア嬢が謝ることではありませんよ。全ては兄上のせいなのですから」

 マグナード様の言葉に、ベルダー様は苦笑いを浮かべていた。
 いつも紳士的なマグナード様もお兄様に対しては、どこか辛辣だ。それはきっと、信頼の裏返しなのだろう。思えば、ブライト殿下に対しても、同じような感じである訳だし。

「しかし、これでとりあえず一件落着です。まあ、正式に婚約を発表したら、それはそれで色々とありそうではありますが……」
「その辺りのことは、気にする必要などない。ルヴィード子爵家も含めて、俺や父上が対応する」
「それは僕の役目なのではありませんか?」