不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?

 マグナード様は、それに驚いたような反応をした。それは当然だ。いきなり抱き着かれて、驚かない訳がない。
 しかしそれでも、彼は私のことを受け入れてくれた。少なくとも振り払ったりするつもりは、ないようだ。

「イルリア嬢、どうされたのですか? 急に……」
「いえ、マグナード様が頑張っていたなぁと思ったら、こうしたくなってしまって……」
「そうですか……」

 マグナード様は、後ろから私に抱き着かれた状態で固まっていた。
 考えてみれば、こうして直接触れ合うのは初めてのことである。ベルダー様が反対しているということもあって、そういったことはお互いに避けていたのだ。
 しかし、今はもうそれを気にする必要はない。それはとても喜ばしいことだ。そう思って、私は少し抱きしめる力を強める。