不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?

「それだけイルリア嬢の存在が、お前の力になったということだろう。守るものを得て、お前は一皮むけた。それを俺は嬉しく思っている」
「それでも、兄上には敵いませんでしたがね……」

 マグナード様は、少し悔しそうな顔をしていた。やはり、ベルダー様に敵わなかったことは、心残りなのだろう。
 一方で、ベルダー様はとても晴れやかな顔をしている。そういう顔をしているということは、マグナード様に試練を課すのはこれで終わりということなのだろう。

「すまなかったな」
「なんですか? 唐突に」
「婚約に反対したことに関して、謝罪しなければならない。実の所俺は……」
「まあ、そんなことではないかと思っていましたが……」
「む……」

 マグナード様の言葉に、ベルダー様は面食らったような表情をした。