不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?

 それはある種の油断といえるかもしれない。その油断をマグナード様は見逃さなかった。彼は素早く、ベルダー様との距離を詰めていく。

「逃がしませんよ!」
「くっ……」

 マグナード様は、再度その剣を振るった。
 ベルダー様は、強引な体勢でそれを受け止める。その表情は、中々に苦しそうだ。
 状況としては、マグナード様が押しているように見える。

「成長したな……見事だ、マグナード。兄として、お前のその成長を誇りに思う」
「うっ……!」

 しかしその優勢は、いとも容易く打ち破られた。
 マグナード様の体が、吹き飛ばされたのだ。それはベルダー様が剣を振るった結果だ。彼はマグナード様を押し返したのだ。

 どうやらベルダー様は、本気を出していたという訳ではなかったらしい。