不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?

 私の言葉に、マグナード様も少し笑みを浮かべてくれた。
 先程までは強張っていた体が、少し緩んでいる。いい感じにリラックスできているようだ。

 そのままマグナード様は、ベルダー様の方を向いた。その表情には、既に一点の曇りもない。
 もう大丈夫だ。そう思って、私は少しだけ気を抜く。

「兄上、僕も成長しています。いつまでも、兄上が知っている僕ではありません。改めて言いましょう。僕を見くびらないでください」
「……見くびらないようにと、口で言うのは簡単だ。覚悟をしているというなら、その覚悟を見せてみろ」
「兄上は、何をお望みなのですか?」
「話していても埒が明かない。ここは剣で勝負するとしよう」
「なるほど、そういうことですか……」

 ベルダー様の言葉に、マグナード様の体がまた強張った。
 どうやら、ベルダー様も一筋縄ではいかないらしい。マグナード様のために、どこまでも愛の鞭を振るうつもりであるようだ。