不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?

 きっとこれは、彼の優しさなのだろう。事前に話を聞いた私は、そう思っていた。
 ベルダー様は、覚悟を試しているのだ。しかしマグナード様なら、きっとそれに応えられるはずである。

「兄上、僕は覚悟してここに来ています。僕をあまり見くびらないでいただきたい」
「ほう……」

 マグナード様は、兄であるベルダー様に対して鋭い視線を向けていた。
 その気迫は、ベルダー様にも引けを取らない。先程まで押されていた彼とは、大違いだ。

「なるほど、やっといい目をするようになってきた。それだけ、イルリア嬢の名前を出したことが効いたということか……」
「それは……」
「おっと、そういえばお前にまだ聞いていなかったな。そこにいるイルリア嬢のどこに、お前は惹かれたのだ? 純粋に興味がある」