不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?

 その場合は、私が何をしたとしても無駄だったのかもしれない。事実としてエムリーはある程度理不尽に婚約破棄された訳だし、遅かれ早かれこうなっていた気がする。

「ロダルト様は優しく気遣いができる人ではあったけれど……」

 そこで私は、ロダルト様という人間の性質を思い出していた。
 基本的には誠実な彼は、影響を受けやすい側面がある。今回はその側面が、私にとって望ましくない方向に働いたといえるだろう。

 私はもっと、ロダルト様を懐柔しておかなければならなかったのかもしれない。
 彼という人間を信じすぎていたのだ。もちろん気が進むことではなかったが、もっと彼を私に縛り付ける方策をとるべきだったのだろう。

「……浮かない顔をしていますね?」
「……え?」