不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?

 ベルダー様は、今後のことについてよく考えているようだ。
 そういった所は、流石次期公爵といった所だろうか。

「しかし、君には余計な心配をさせてしまったな。申し訳ないと思っている」
「いえ、お気になさらないでください。そもそも私にとっては、身に余る幸福である訳ですし……」
「……ふむ」

 そこでベルダー様は、少しだけその表情を緩めた。
 彼は、私の顔をじっくりと見ている。そんな風に見られると、少し恥ずかしい。

「これは、純粋な興味でしかないのだが、君はマグナードのどこに惹かれたのだ?」
「え?」
「兄である俺は、奴の良い所も悪い所も知っている……つもりだ。だからこそ気になっている。答えたくないならそれでも構わない」

 ベルダー様は、本当に軽い感じで質問をしてきていた。