不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?

 私は、マグナード様とともにビルドリム公爵家までやって来た。
 ビルドリム公爵夫妻は、私のことを快く受け入れてくれた。息子のことをよろしくとまで言ってくれたし、私との婚約に関して、本当に反対はしてないようだ。
 しかしそんな両親と違って、ビルドリム公爵家の長男であるベルダー様は、鋭い視線を私に向けてきた。その視線の恐ろしさに、私は少し気圧されてしまう。

「兄上、納得していないからといって、明らかな敵意を向けるのはやめていただきたい。そんな鋭い視線を女性に向けるなんて、紳士としてどうかと思います」
「……鋭い視線を向けているつもりはない。この目つきは生まれつきだ。そんなことはお前もわかっているだろう」
「……そういえば、そうでしたか」