不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?

「……大体、お前もイルリア嬢のことを手放すつもりはないだろう。そんな風に寄り添っている時点で、俺はそのように思えるぞ?」
「え? いや、それは……」

 そこでブライト殿下は、私達の距離感について指摘してきた。
 現在私達は、並んでブライト殿下と対面している。その距離は、かなり近い。肩が触れ合うくらいの距離感である。
 よく考えてみれば、それは思いが通じ合っているからこその距離感だ。自然とそうしていたため、私達自身は気付いていなかった。

「ああいや、別に距離を取れと言っている訳じゃない」
「いえ、ブライト殿下のご指摘はもっともです。いけませんね。まだ婚約が決まったという訳でもないのに……」
「別に俺はそれを批判するつもりはないが……というか、イルリア嬢の家の方は問題ないのか? 当然、そっちにも話は通していないのだろう?」
「え? ああ……言われてみれば、そうですね」