不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?

「ええ、ですが、何も問題ないという訳でもないのです」
「え?」
「父上は納得してくれました。しかし、兄上が納得していません。ビルドリム公爵家の次期当主として、兄上はあなたのことを見極めたいと言っています。ですからイルリア嬢には、兄上に会っていただきたいのです」

 少し申し訳なさそうにしながら、マグナード様はそう切り出してきた。
 現在の家長は納得しているが、次期当主が納得していない。その状況は、中々に微妙なものであるといえる。
 しかしながら、そういうことなら特に迷う必要があるという訳でもない。私の道は、定まった。

「わかりました。それなら私が、ビルドリム公爵家に行きます。私は、マグナード様と結ばれたいですから」
「ありがとうございます、イルリア嬢。その言葉が、僕には何よりも嬉しいものです」

 私は、マグナード様の言葉に力強く頷いた。
 こうして、私達のこれからの方針が決まったのである。