不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?

 ロダルト様の言葉に、私はゆっくりと首を横に振る。
 婚約破棄されたエムリーを救いたい。流れとして、そこまでは理解できる。
 しかしそれでどうして、エムリーと婚約するということになるのだろうか。それは色々な前提を覆し過ぎている。

「お姉様、往生際が悪いですよ」
「……え?」

 そんな私に、声をかけてくる人がいた。
 その声は、何度も聞いている。私にとって、もっとも聞きたくない声だ。

「エムリー……」
「ふふっ……」

 私の妹、エムリーはゆっくりと私の前に現れた。
 その表情は、歪んでいる。なんとも楽しそうな、私を見下した笑みを浮かべている。
 やはり今回の件も、この妹が裏で手を引いていたということだろうか。私はまたしても、この妹にしてやられてしまったのかもしれない。

「ロダルト様は、私のことを選んでくれたのです。お姉様ではなく、この私を!」