私とマグナード様は、ミレリア嬢の元を訪ねていた。
 アークウィル伯爵家は、私達のことをそれ程歓迎はしていないような気がする。
 しかし、それは仕方ないことなのかもしれない。私はムドラス伯爵との間に色々とあったし、今回の事件の原因の一端は、私にもある訳だし。

「事情はわかりましが、それはイルリア嬢に原因があるという訳ではないと思います。例えば仮に、ストーカーがストーキングしている人のために何かしたからといって、ストーキングされた人が悪くなるなんてことはないでしょうし……」
「でも、一応元婚約者である訳だし……」
「今婚約していないというなら、それこそ関係がないことです」

 ミレリア嬢は、私に責任がないと何度も言ってくれた。
 それはとても、ありがたいことである。ただ、私はどちらかというと責任を感じている。
 ロダルト様とのことは、もう終わったことだと思っていた。もう少し彼に気を払っていれば、これは防げたことである。