不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?

「エムリー? 何を言っているの?」
「なんとなく、わかるんです。この私は、もう終わりなのだと……」
「それは……」

 エムリーの言葉の意味が、私にはすぐにわかった。
 もしかしたら、彼女は思い出し始めているのかもしれない。その兆候は、確かにあった。

「私が見た男性は、やはり彼でした。その恐ろしい本性を、私は見ていたのです。それさえ思い出せていれば……」
「そんなことはいいのよ。それより、あなたは自分のことを……」
「しばらくの間、でしたが……お世話に、なりました。お姉様との日々、楽しかった、で、す……」

 そこでエムリーは、ゆっくりと目を瞑った。
 ただ、まだ息はある。それは安心できる要素だ。
 しかしながら、あのエムリーは消えてしまったのだろう。それを悟って私は、どうしようもない悲しみに襲われるのだった。