不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?

 マグナード様は、ヴォルダン伯爵令息の時とは違い、冷静な対応をしてくれたようだ。
 ただ、彼の表情からは確かな怒りが伝わってくる。私も、ロダルト様には当然怒っている。彼がやったことは、万死に値する行いだ。到底許せるものではない。

「エムリー、しっかりして! すぐにお医者様が来てくれるから……」
「……お姉様、ご無事ですか?」
「ええ、私は無事よ。あなたのおかげでね。でも、なんて無茶を……」
「無茶、ですか。ええ、でも、体が勝手に動いたものですから……」

 エムリーは、か細い声だが受け答えしてくれた。
 その意識を途切れさせてはいけないと、私は本能で感じていた。故に私は、とにかくエムリーに話しかけることにする。

「大丈夫だからね、エムリー」
「……いいえ、きっとこれでお別れです」