不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?

 私が思わず目を瞑ろうとした瞬間、マグナード様が動いたのが見えた。
 彼は、私を庇うように前に立とうとしていたような気がする。
 そして次の瞬間、鈍い音が聞こえてきた。恐らく、私以外の誰かの体にロダルト様の凶刃が突き刺さったのだろう。

「うぐっ……」

 私がゆっくりと目を開けると、ロダルト様が驚いたような顔で目を見開いているのを見つけた。
 彼の目の前にいるのは、女性だ。その女性は、苦しそうな声を上げている。
 それは当然だ。彼女の体にはナイフが刺さっている。ロダルト様が、それを刺したのだ。

「エムリー!」
「お、お姉様……」

 ゆっくりと崩れ落ちるエムリーの体を、私はなんとか受け止めた。