不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?

 マグナード様は、驚いたような顔をしていた。
 それがどうしてなのか、私は彼の視線が向いている方向を見たことによって理解した。
 そこには、とある男性がいる。彼の名前は、ロダルト・ラプトルト子爵令息。かつて私やエムリーの婚約者だった人だ。

「ロ、ロダルト様? どうして、こちらに?」

 あまりに驚いたため、私は思わずそのような質問をしてしまった。
 しかし、よく考えてみればそれは過ちだ。私がそのように問いかけてしまったため、周囲の判断は確実に遅れた。
 私と彼が知り合いである。使用人達は、そう思ったことだろう。相手は身なり的には貴族であるし、それによって躊躇いが生まれた。