不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?

 私とエムリーは、準備を終えて馬車の前に立っていた。
 結局、この別荘での暮らしは、中途半端に終わってしまった。それは非常に、残念である。
 ただ、とにかく今は安全第一だ。ルヴィード子爵家に戻り、守りを強固にする。それが今の私達に必要な措置だ。

「さてと、それではお二人とも気を付けて」
「護衛がいるし、遠回りしてでも人気が多い道を行かせるようにしている。とにかく安全なのが肝心だからな」
「お二人とも、ありがとうございます」

 諸々の手配は、マグナード様やブライト殿下がしてくれた。
 二人とも、とても頼りになる。その辺りは、流石公爵令息と王子といった所だろうか。

「……うん?」
「マグナード様、どうかされましたか?」
「いや、あれは……」
「え?」