不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?

「まあ、そういうことなら少し眠ったらどうなんだ。ここを出発するにしては、まだ時間が早過ぎる。少しくらいは眠れるんじゃないだろうか?」
「お言葉に甘えたい所ですが、流石にこの中で眠るのは……」
「おっと、それはそうか」

 ブライト殿下の提案は、嬉しいものではあった。
 ただ、事件のこともあって現在の部屋には人がい過ぎている。そんな中で寝顔を晒すというのは、流石に恥ずかしい。

「それならイルリア嬢は別の部屋に行ってくれ。入り口には誰かを立たせておく。まあそれでも、誰か一人くらいはついていた方がいいか」
「……確かに、一人にしておくのは不安ですね」
「お、それならマグナード、お前がついていてやれ」
「え?」

 そこで、マグナード様は珍しい声を出した。
 ブライト殿下の言葉に、かなり驚いているのだろう。目が丸くなっている。