不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?

 色々と考えていたからか、私は中々眠ることができなかった。
 隣にいるエムリーは、心地よさそうに寝息を立てている。こうして眠っていると、彼女も可愛いものだ。いや最近は、眠ってなくても可愛く思っているのだが。

「不思議なものね……」

 エムリーの顔を見てそんな風に思える日が来るなんて、少し前までは思っていなかったことである。
 こうして別荘に遊びに来ていなかったら、そう思えなかったかもしれない。

「でも……」

 眠る前、彼女は記憶を取り戻す兆候を見せていた。
 もしかしたらもうすぐ記憶が戻って来るのかもしれない。そうなった場合、私達の関係は元に戻るのだろう。
 それは悲しいことではあるが、仕方ないことでもある。そもそもの話、この期間の方がおかしかったのだから。