不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?

「使用人達が慌てているのはそれか。入れ違いになったのかもしれないな」
「ええ、多分そうだと思います」

 戻ってきたマグナード様は、とても苦い顔をしていた。
 彼の視線は、先程からミレリア嬢に向いている。つまり彼女に関する何かが、あったということだろうか。

「マグナード様、どうやらお話があるのは私のようですね?」
「ええ、ミレリア嬢に関わる話です。間接的には、イルリア嬢も関わる話といえるでしょうね」
「私も、ですか?」

 自分にも関わりがあるということに、私は少し驚いてしまった。
 しかし、私とミレリア嬢が共通で関わっていることとなると限られてくる。まさか、ヴォルダン伯爵令息やムドラス伯爵令息が、またよからぬことでも始めたのだろうか。